借地権を売却することは可能？借地権を売却する方法とは？

所有権は持っていなくても、借地権を保有していれば建物などを売却することは可能です。ただ、所有権がある土地や建物を売買するのとは、売却するパターンや売却方法などが異なります。また、売却する際には、地主の承諾を得る必要があるという点にも違いがあります。   この記事では、借地権とは何か、借地権を売却するパターンや売却方法について解説します。借地権を売却したい場合、この記事を読めば売却方法について理解していただけるでしょう。  

借地権は売却できるのか？

借地権とは、人から土地を借りることができる権利のことです。土地や建物の所有権とは違い、借りられるというだけの権利です。   所有権とは異なりますが、借地権を売却もできます。   借地権には、地上権と賃借権の二種類があります。ここでは、それぞれについてご説明しましょう。  

地上権

地上権とは、建物を所有するためにその建物が建っている土地を使用できる権利です。所有できるのは土地の表面だけでなく、その上にある空間や地下も含まれます。   地上権を持っていれば、地主の許可を得なくても売却することが可能です。抵当権を設定することも可能なので、所有権に近い権利です。  

賃借権

賃借権とは、建物を所有するためにその建物が建っている土地を借りられる権利です。   賃借権を持っていても、地主の許可がなければ勝手に売却はできません。抵当権は建物には設定できますが、土地には設定できません。  

借地権を売却するパターン

借地権を売却するパターンはいくつかあります。どのパターンを選ぶ場合にも、基本的に地主の承諾をもらいましょう。   ここでは、借地権の売却の仕方についてご説明します。  

地主に売却する場合

地主が購入する場合もあります。これにより、借地権は消滅することになります。   

第三者に売却する場合

第三者に売却する際には、あらかじめ地主に承諾を得ておかなければなりません。その際に法的に定められているものではありませんが、地主に譲渡承諾料を支払います。この価格は借地権の10％程度と言われていますが、実際に地主と交渉してみてください。   買い主は、個人でも不動産会社でも構いません。  

等価交換をしてから第三者に売却する場合

借地権と同等の価値を持つものと交換をして、第三者に売却するパターンです。   具体的には、地主の底地権と借地人の建物を、同等の価値で交換する方法があります。たとえば、建物と土地を地主と借地人が等価交換することで、お互いが土地と建物を保有することになります。そして、借地人が得た分を不動産会社などに売却するという方法です。   このような方法で借地権が消滅し、土地と建物の所有権を保有できるため、土地と建物の売買が可能です。  

底地権を購入してから第三者に売却する場合

地主が持っている底地権を購入し、借地権と底地権をセットにして第三者に売却するパターンです。地主と交渉して底地権を購入する必要があります。  

借地権を売却する手続きの流れ

ここでは、実際に借地権を売却する手続きの流れをご説明します。  

1.不動産会社に査定を依頼、仲介契約を結ぶ

まずは、不動産会社に査定を依頼し、担当者の対応や査定額を比較して仲介を依頼する会社を決めます。不動産会社に依頼して、借地権に詳しい会社を選びましょう。   ただ、実際の売却額が査定額のとおりになるとは限らないのでご注意ください。また、不動産会社が得意なエリアや物件の種類などはそれぞれ異なるので、できるだけ信頼のおける不動産会社や経験豊富なところを選ぶことをおすすめします。  

2.地主の承諾を得る

地主に売却する承諾を得ます。なお、直接地主と交渉するのではなく、不動産会社を介して交渉することでスムーズに話が進む可能性が高まります。不動産会社は地主との交渉などに慣れており経験豊富なので、仲介をお願いしましょう。   上記でご説明したとおりさまざまな売却の方法があり、地主と契約を結ぶ必要がある場合もあります。その場合は特に、早めに承諾を得ておく必要があるでしょう。  

3.不動産会社に売却活動を依頼する

不動産会社と正式に契約を結び売却活動を依頼しましょう。不動産会社のサイトに登録したり、チラシに物件情報を掲載したりして、売買活動を行ってくれます。   必要に応じて、売買活動の進捗状況について定期的に不動産会社に報告してもらいましょう。  

4.売却契約を結ぶ

買い主が決まったら、買い主と売買契約を結びます。契約に関しては、不動産会社が仲介してくれるので安心です。   契約を結ぶ際には、地主が売却を承諾した旨が記載されている文書が必要になります。不動産会社を通じて、地主の承諾書をもらいましょう。  

5.地主から承諾書を受け取る

地主から「借地権譲渡承諾書」を受け取ります。これがないと借地権の売買契約を成立させることはできません。不動産会社を通じて、承諾書をもらいましょう。  

6.物件を引き渡す

買い手との正式な売買契約が成立したら、買い主に建物を引き渡します。所有権が買い主に移ったため、所有権移転登記を忘れずに行いましょう。  

借地権を売却する際には不動産のプロに任せよう！

ここまでご説明してきたとおり、借地権の売却は通常の土地や建物を売る場合より面倒な手続きが多いです。特に、地主との交渉がうまくいかないと売却ができなくなってしまいます。   そこで、不動産売買のプロである不動産会社に借地権の売却や地主との交渉を任せることをおすすめします。不動産会社は、不動産売買はもちろん、地主との交渉などについても経験豊富です。経験豊富なプロに任せることで、売買契約や地主との交渉がスムーズに進むでしょう。